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サー・ウォルター・スコットは19世紀を代表するロマン派の作家で、この『アイヴァンホー』は歴史小説の傑作と言われています。
舞台は12世紀のイギリス。主人公のアイヴァンホーは、「獅子心王」の異名を持つリチャード一世(在位1189〜99年)に仕える騎士で、このアイヴァンホーとロウィーナ姫とのロマンスを中心に、リチャードが変装する黒衣の騎士やロビンフッドなども登場して、痛快無比の騎士道物語が展開されます。
この中に、馬上槍試合(JOUSTING)を描いた場面があります。ジュースティングというのは鎧兜を着け、馬に乗った騎士が一対一で向かい合い、すれ違いざまの一瞬の攻防で勝負をつける試合のことです。たぶん映画などでご覧になったことがおありでしょう。この試合で勝利を収めたアイヴァンホーに対して、こんな描写がされています。
「女性たちは、絹のハンカチや刺繍をした顔帛を振った。身分の高いものも、卑しいものも、みんな声を合わせて、よろこびの叫びをあげた」
ウォルター・スコットは19世紀の作家ですが、中世に対しては百科事典的な知識の持ち主として知られていました。ですからこうした描写から、12世紀にはすでに絹製のハンカチーフが、若い男女の愛情表現として使われていたと考えられます。
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